PROFILE
RECOMMEND
SELECTED ENTRIES
RECENT COMMENTS
RECENT TRACKBACK
CATEGORIES
ARCHIVES
LINKS
OTHERS

ひきこもり→アフィリエイト屋→投資家

「株ではなく会社に投資」をモットーにのんびりのんびり長期投資。
GMOペパボに投資し続けています(勢い余って大株主になりました)
「居酒屋」 エミール・ゾラ

居酒屋 」は自然主義文学の代表作と言われている。
自然主義文学は、エミール・ゾラにより定義された学説の下、19世紀末、フランスを中心に起こった文学運動。自然の事実を観察し、「真実」を描くために、あらゆる美化を否定する。実験的展開を持つ小説のなかに、自然とその法則の作用、遺伝と社会環境の影響下にある人間を描き出そうとする。

居酒屋 」は細かな描写を重ねながら、パリ下層階級の悲惨な人生を描き出している。
「洗濯女」の主人公ジェルヴェーズは、あまりにも不幸で痛ましい。
ジェルヴェーズは生まれながらに足が悪く、酒びたりな父親から暴力を受けて育った。14歳でランチエに誘惑わされて、二人の子を産む。
ジェルヴェーズは浮気な夫ランチエに捨てられたあと二人の子供を抱えながら、小さな洗濯屋を開き、かいがいしく働く。そこには慎ましく生き生きと働いて町の片隅に生涯をおえることを理想とする庶民の姿が象徴されていた。
やがてジェルヴェーズはブリキ職人クーポーと再婚、夢が叶い、つかの間の幸福がおとずれる。そこへ娼婦遊びからも排斥された前夫ランチエが舞い戻り、ここに奇妙な3人による生活が始まる。ジェルヴェーズはしだいに生きがいを失い、極貧に耐えられず身を売り、アルコールに浸る。その後は延々と、幸福が崩壊していく。きっかけは仕事中屋根から転落しケガをした夫の飲酒と怠け。善良だった夫が物の見事に堕落していく。
ただただ落ちていく二人を意地の悪い親戚や近所の人々のまなざしが思いのほか冷ややかなこともあって却って悲惨さが際立つ。

 

ゾラは実証的な自然科学の手法をそのまま文学に導入する「自然主義」を唱え、その実践としてルーゴン・マッカール叢書を執筆した。当初は全くといっていいほど売れなかったらしい。第7作『居酒屋 』で社会現象を巻き起こすほどの大成功を収め、以後フランス自然主義文学の黄金期を築いた。
1902年パリの自宅で、一酸化炭素中毒のために死亡した。


舞台となるフランスの居酒屋について。
フランスでは教会や修道院が居酒屋の起源であり、客の多くが巡礼者たちであった。しかしカエサルが紀元前1世紀にガリアに侵攻を行った時まではビールが主に飲まれており、今日フランスの代名詞であるワインはカエサル率いるローマ人によってもたらされたものである。
フランスの居酒屋は、宿屋の機能を持つ「オベルジュ」や「ホテル」、大衆飲み屋としての「キャバレー」や「タヴェルン」、安価で食事を提供する「ガルゴット」、そして18世紀のパリ郊外で多く見られた「ギャンゲット」がある。
18世紀から19世紀にかけてワインが大衆化されるようになってから居酒屋の進化が起こり爆発的にその数を増やした。「ガルコット」は「ターブル・ドート」、「タヴェルン」は「アソモワール」に呼び名が替わり、また喫煙者限定の酒場である「タバジー」、ビ−ルを主に提供する「ビストロ」や「ブラスリ」が登場するが、実際には居酒屋の種類の境界は曖昧であった。居酒屋の数は19世紀に激増し、1789年は10万だったのが、1830年に28万、1914年にはおよそ50万店舗にまで拡大した。首都のパリだけでもフランス革命時代に公式で3000ほどだった店舗が、1840年代後半には4500、1870年には2万2000、19世紀末では3万に達する。
パリの居酒屋は中世時代の多機能が色濃く残り、労働者たちの出会いの場や職業斡旋、ストライキの会合まで行われた。賃金が居酒屋で支払われたメタルコインの換金システムも、居酒屋の多機能性を残す要因となった。やがて居酒屋内に音楽と芸能が流入し、「カフェ・コンセール(音楽カフェ)」と呼ばれる店舗が登場してくる。



| おすすめ本 | 12:55 | comments(0) | trackbacks(0) |
馬券偽造師


「朝五時半開店の『寿司清』は、市場に仕入れで訪れる魚屋や寿司屋の主人が集まる店で、厳選されたネタと明朗会計は、市場のアンテナショップのような存在だ。この店で飲む夜明けのビールは、馬券造りの疲れでほてった身体に心地よく滲みわたっていく。至福の瞬間である。」

なんなの、犯罪なのにまるで仕事を終えた職人のような充足感。
この爽やかな文章で著者の元馬券偽造師に引き込まれた。



外れ馬券を万馬券に偽造し、換金した額はなんと10年間で10億円!デザイナーとしての己の技術を試すがのごとく、万馬券偽造にのめり込む。インクや透かしなど次々と馬券の改良を重ねる日本中央競馬会に、その職人技で挑戦を続けていく。本人の手記による衝撃のノンフィクション!

券面全部を偽造するのではなく、ある1文字だけを丁寧に削り取り、そして鉛筆の粉を紙の繊維に埋め込んでいくという根気のいる作業を10時間以上とか、まさに職人。犯罪者ではあるがその職人技と職人魂が凄まじい。

長時間の作業を終えた後、築地で寿司を食べて…の記述は仕事を終えた男の休息みたいで(完全に犯罪であることを忘れてる)読んでて笑みがこぼれてしまった。

| おすすめ本 | 19:22 | comments(0) | trackbacks(0) |
/ 1 / 1 /